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英語の時制

まず、思い込みを取り払いましょう!

一般的に「時制」と言うと (1) 現在形、(2) 過去形、(3) 未来形、(4) 現在進行形、(5) 過去進行形、(6) 未来進行形、(7) 現在完了形・継続、(8) 現在完了形・経験、(9) 現在完了形・完了、(10) 現在完了進行形、(11) 過去完了形・継続、(12) 過去完了形・経験、(13) 過去完了形・完了、(14) 過去完了形・大過去、(15) 過去完了進行形、(16) 未来完了形・継続、(17) 未来完了形・経験、(18) 未来完了形・完了、(19) 未来完了進行形、というように区分けされ、説明されています。

でも、まずはこの思い込みを取り払い、もっとシンプルに英語を英語のまま理解してみましょう。

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ここでは (1) 過去(2) Haveシリーズ(3) 現在(4) 未来、と区分けしてみていきます。

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PastTenseThumb

(1) 過去:(助)動詞の過去形

「いま現在」から「遠い距離」を感じる。過去に起きて過去に終わっている。
金太郎飴のようにぶつ切りなイメージ。
例:I went to New York a few years ago.
過去のぶつ切り情報だから「いつ?」という情報が欲しくなる。

過去形のぶつ切り感&「今」から遠い感覚 を上手く利用している表現
① 仮定法。
「あり得ない」という前提で話している。(例:If I were you…)
「現在から遠い場所」というニュアンスの感じられる過去形を使うことで、
現在(事実)からの距離を感じさせ、非現実さを表現している。
② 丁寧表現。
助動詞を過去形にすることで遠回しな表現にしている。
(例:Can you?→Could you?  Will you?→Would you?)
日本語でも「~して頂けましたら幸いです」と遠回しに言うことで
(自分が一歩引いて距離感を出すことで)丁寧さを出すことがある。それと同じ。

 

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HaveTense
(2) Haveシリーズ:Have+動詞の完了形

そもそもHaveと言うのは…
自分の身体周辺に感じるパーソナルな空間内に「持っている」イメージ。

現在完了形(Have+過去完了)
過去に起きたことが経験としてパーソナルなHave空間に入っているイメージの時、現在完了形を使う。
例:I have been to New York.
New Yorkに行った経験を大事にしている感がある。
過去完了形(Had+過去完了)
過去に立ち、その時点でHave空間に入っている経験をみて、振り返っているイメージ。
例:When I arrived, the presentation had already begun.
「着いた時」という過去の一点を足場にして、その時のHave空間の
状態を伝えている。
未来完了形(Will have+過去完了)
未来に立ち、その時点でHave空間に入っているであろう経験を予測しているイメージ。
例:Your English will have improved by the time you come back from Canada.
「カナダから戻ってくる頃」を足場にして、
その時のHave空間はこうなっているんじゃないかな?ということを伝えている。

継続?経験?完了?
Have+完了形シリーズは、よく「継続・経験・完了」のどれを表すのか?というように分析されるが、
実はどれも「Have空間に入っているイメージ」が共通点。
前から継続していることだからHave空間に入っているのか、
大事にしている経験だからHave空間に入っているのか、
完了したばかりでその印象が強いからHave空間に入っているのか…という違いなだけで、
大事なのは「Have空間に入っている」ということ。

○○完了進行形?(Will have/Have/Had been –ing)
Have空間のイメージ+進行形の「躍動感、アクション感」の融合。
詳しくは現在セクションの進行形参照。

 

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PresentTense
(3) 現在:(助)動詞の現在形
「いま現在」というピッタリ感。自分との距離はナシ。

時空を超越した普遍性のあるものに対して使う(過去も未来もそうだと言えることや習慣)。
例:車を持っています。I have a car.
例:地球は大量の周りを周る。The earth orbits the Sun.
確定した未来の予定に対しても使える。確定しているから今の自分とのブレがない(ピッタリ感&距離がナシ)
例:明日絶対にあの車を買うよ。I buy the car tomorrow.
例:Ready or not, here I come.(かくれんぼの時、鬼が探し始める時の声掛け)

注意!
日本語で考える「現在形」は、英語の現在進行形に対応していることが多い。
例:私はいま、コーヒーを飲んでいます。→ I’m drinking coffee.

(3) 現在:Be動詞

省略されていない時は、そこに「在る」という力強さ。
例)I am a teacher.
例)“I’m not beautiful.” “Yes, you are!”
省略されている時は、オマケなイメージ。
例)I’m your friend. → 大事なのはI=your friend。
省略できる=ルールだから一応そこに置いておきましょう感。

(3) 現在:現在進行形(Be動詞+-ing、Have been+–ing)

活き活きとした躍動感やアクション感。
例)I’m dancing!
アクティブさが低めの動詞は現在進行形の形になりにくい(不可能ではない)。
例)I know it. → (´・ω・`) I’m knowing it.

McDonald’s 社がキャッチコピーとした “I’m lovin’ it.” というのは、アクティブさが低く
現在進行形になりにくいLoveという単語を(Loveは行動というよりも状態を示しているから)、
敢えて躍動感のある現在進行形にしている、オシャレな言語使用です。
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FutureTense

(4) 未来:Will

will は助動詞(動詞を助ける品詞)。動詞の前にきて話し手の気持ちを添える。

助動詞一覧

現在形 will can may shall must
過去形 would could might should
イメージ 意志 能力、可能性 許可出し感 提案、義務感 王様命令感
例文 I will marry you. I can marry you. You may marry me. You shall marry me. You must marry me.
雰囲気 あなたと結婚する意志があります。 あなたとの結婚は可能性としてあり得ます。(例:親の反対がない、法律的にも金銭的にも問題ない) あなた、私と結婚しても良いわよ。そういう許可をあげるわ。 あなたは私と結婚する義務があります。 私との結婚は命令だ。他の選択肢は一切ない!

will がある文章は、未来を向いているから「未来形」と思われがちだけど、あくまでも話し手の「意志」
未来を断言している「未来描写」ではない。

(4) 未来:Be -ing

現在進行形の躍動感を借りて、未来にそのまま進んでいくイメージ。予定。
例:I am buying the car tomorrow!

(4) 未来:Be going to+動詞

前置詞toのコアイメージ「矢印の感覚(→)」があるので、
「その方向へ進んでいきたい!」という希望が含まれているイメージ。
例:We are going to buy the car tomorrow.
上のBe –ingより勢いは劣るけど、冷静さがある。

※前置詞 toのイメージに関してはすずきひろし&ミツイ直子著「イラストで広がる英語の世界 ~前置詞編~」をご覧ください。

洋書を読んだり洋画を観たりして英語に触れる時は
表面的な単語の羅列の内容理解を目指すのではなく、
こうした「時制のイメージやニュアンス」をも感じていくように心がけましょう。